異常が日常になるほど、世界中で異常気象が続いていますが、

このまま温暖化が進めば地球の未来はどうなってしまうのでしょうか。

 

サイエンスZEROで、

「ミニチュアオーシャン 小さな大洋”日本海”からの警告」が紹介されました。

 

地球にはどんな未来が待っているのか?

記事にまとめたのでチェックしてみてくださいね。

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日本海は世界の海の縮図

相次ぐ豪雨や干ばつ、

温暖化の影響が深刻化している地球。

 

その答えが詰まっていると研究者が注目している場所が「日本海」です。

 

日本海は世界の海の縮図、

日本海を見れば世界の海がわかるといいます。

 

日本海の構造は、

・表層を暖流と寒流が流れる表層海流

・深海数千メートルの水が巡回する深層海流があり、

 

そのため、日本海はミニチュアオーシャンと呼ばれ、

まさに世界の海の縮図が日本海だということです。

 

その日本海で今異変が起きていました。

深海の水質が変わり、深層海流が弱まっていることが世界で初めてとらえられました。

 

海の構造自体が変わるくらい衝撃的な結果だと言います。

日本海の異変はどんな未来を教えてくれるのでしょうか。

日本海について

日本海は研究者にとって魅力的な場所です。

面積:約100万平方キロメートル(世界の海の0.3%くらい)

深さ:一番深いところで3796m

海峡:日本海は周囲の海と4つの海峡でつながっています。

・間宮海峡・宗谷海峡・津軽海峡・対馬海峡

 

海峡は、深いところで150m程度と浅く狭いため、深海の水は日本海から外へ出ることが出来ず、外の海とは隔離されています。

 

深海:深海を見ると海底だけを循環している深層海流という構造があり、これは太平洋と同じでミニチュアオーシャンと呼ばれています。

日本海に温暖化の影響

世界の海の平均水温は100年間で0.53℃上昇していますが、

日本海も温暖化の影響を受け始めています。

 

日本海は、中央部の水温が100年間で1.7℃、世界の海の3倍強も上昇しています。

 

最近の研究では日本海の表層だけでなく、

深層部分にも温暖化が始まっているといいます。

日本海で何が起きているのか調査

海洋科学者や海洋物理学者など様々な分野の学者が研究を続けていますが、

日本海では50年以上にわたり海水の採取や水質調査が行われています。

 

海洋研究開発機構が今回調査したのは、

北海道と青森県の沖合およそ160キロの2地点です。

調査で海水を採取する場所は深さ3500mまで、

深さごとに25カ所に採水器を沈めます。

 

3時間後、水を採取した装置が浮上したら、

まず図るのは外気の影響を受けやすい水温です。

十分に冷たいはずの深海の水温にも温暖化の影響が表れているかを確認します。

次に海水に溶け込んだ酸素”溶存酸素”の量も海の状態を表す重要な指標の一つです。

 

溶存酸素が多いほど豊かな海で、

溶存酸素が多いと茶色になり、少ないと白い色に。

 

水深2000mあたりの海水1㎏あたりの溶存酸素の変化ですが、

2010年 平均203.6
2016年 平均202.6
2017年 平均201.7

この1年で急激に減少していました。

何故深海の溶存酸素は減っているのか?

カギとなるのは酸素が深海に運ばれる仕組みです。

酸素の供給源は表層の冷たい水です。

およそ0℃の水を常温の水にゆっくり注ぐと、

冷たい水は密度が高いためにゆっくりと底に沈んでいきます。

沈み込みという現象です。

 

日本海の場合も冷たい海水のある所で沈み込みが起きています。

日本海の月ごとの表面の温度を見てみると、

ロシアの沿岸部が青くなりましたがおよそ0℃の海水がある場所です。

2001年日本やロシアの研究チームがロシアのウラジオストク沖を調査したところ、実際に沈み込みが確認されました。

深海の酸素の減少は沈み込みが弱まっているからだと考えられると言います。

 

冬場のウラジオストックやロシアの沿岸域の気温の変動が、

最近非常に暖かくなってきていることもあり、

おそらく温暖化の影響で沈み込み量が減っているのではないかと分析しています。

 

沈み込みが弱まる原因は、ウラジオストクの気温の上昇です。

ウラジオストクの3か月間の気温で最低気温がマイナス20度以下になった日数を見てみると、

1910~1950年の間に9回あったのに比べ、

20世紀後半には3回のみ。

 

寒い冬が少なくなったことで沈み込みが海底まで到達せず、

深海へ酸素が運ばれなくなってきているというのです。

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日本海の未来は

酸素不足による生態系への影響も心配されています。

だいたい100年くらい経ってしまうと溶存酸素が日本海の深層・低層から完全に枯渇してしまうという計算になり、生物にとっては生きにくい環境になるということ。

 

生態系への影響もそうですが、我々の生活への影響も気になります。

調査船のプロジェクトリーダー、

国立環境研究所の荒巻能史主任研究員によると、

世界中色々な場所で沈み込みが起きているが、

日本海のように小さい海で独自に沈み込みという現象を行っているのは非常にまれな事。

 

大気と接している表層で温暖化の影響という話はよく耳にすることだが、深い部分、深層で起きていると言うのは深刻。

2億5千万年前に海洋の生物が大絶滅した時は溶存酸素量がゼロになったことがわかっているそうです。

 

世界中で生物について研究している人からは、

表層にいる魚の種類が南方にしかいないはずの種類が北の方で見つかったりなどの話も出てきていると。

 

深層で変化が起きていると言う事は中層や表層でも起きているだろうということで、今その化学成分の変化を調べているところだといいます。

 

近い将来外洋でも起こりえるのではないか、

それを明示的に示しているのが日本海なのだと。。。

深層海流の循環

荒巻さんは、日本海の深海で起こる循環、深層海流の実態を化学物質を使って読み解こうとしています。

注目するのは3種類のフロン。

フロンは大気中の濃度が年代ごとに測定されています。

例えば1980年は、

フロン12は323.0
フロン11は176.7
フロン113は22.6

荒巻さんは海水中のフロンの割合から深層海流の流れ方を調べることが出来ると考えています。

例えば深海の水の年代がこのように変わっているとしたら、

深層海流が矢印の向きに流れていると分かります。

 

フロンなどの化学物質を使い日本海全域で調査を行った結果、

深層海流は日本海を反時計回りに流れ、およそ100年かけて循環していることがわかったそうです。

 

この事がどのような意味を持つのか、

世界の海と比較してみるとよくわかりますが、

北大西洋の海洋大循環の沈み込んだ水が海底を南下して南極で氷り、その後太平洋やインド洋へ流れている循環があり、これがおよそ2000年と言われています。

 

この2000年に対して100年というスケールは、およそ20分の1なので20倍早く循環しているということで、

つまり日本海はそれだけ変化も受けやすいし早いと言う事です。

 

世界の海は日本海のように調査研究は進んではいなくて、

2000年という長さと、広さから中々一ケ所一ケ所調査するのもスケール的に難しいのです。

深層海流の循環の速度

6月、日本海で新たな異変が明らかになりました。

九州大学の千手智晴准教授が注目するのは、

深層海流の早さです。

 

この日向かったのは青森県の沖合、

1年前に沈めた計測器を回収するためです。

計測に使うのは流速計、

海底に沈め、海流の早さを測定、データを蓄積します。

 

千手さんによると、

世界の海の中でも日本海は深層循環が弱まっていると言われているけど、実際に実測したデータが無かったので、日本海でデータが出るのは初めてのことだということです。

 

今回の計測地点は22年前の流速データのあるところ、

今回のデータと比較すれば海流の変化がわかります。

流速計を音波で探し、見つけたら浮上するよう信号を送り、無事上がってきました。

 

引き上げた2台の流速計はそれぞれ推進1000mと2000mに沈めてあったもの。

早速データの結果を解析してみると、

調査した海域は海底地形に沿うように北向きの流れが非常に強い海域だが、大体2/3くらいの速さになっていました。

1994年4月~1995年3月に計測したデータでは、

秒速4.91㎝/秒で海流が流れていて、

2016年7月~2017年6月に計測したデータでは、

秒速3.31㎝/秒と3割以上遅くなっていました。

これは驚きの結果!

 

温度や酸素など水質が明らかに変わってきていて、流れの様子が変わってきている。

つまり海の構造自体が変わってきていると言うことを意味する。

 

この変化から分かる事は、

深層循環は大気の二酸化酸素を海洋へ奥深く運んでくれる気候を安定させる役割がある。

沈み込みの流れがゆっくりになるということは、

その役割が弱まると言う事を意味する

海は温暖化を抑える役割をしていたけれど、温暖化で水温も上がり流れも遅くなり悪循環となっているといいます。

深層海流の循環が止まる時

このまま時間が経っていくと流れが止まってしまう事になりうるのか?

下の水の量は決まっているので、新たな水が沈み込むことで流れが起きる。

 

現段階で観測される限りは止まっていると言うデータはないが、ある時全く沈まないと言う事も起こりうることと言います。

 

また、海の表層の温度が上がっていると言う事ですが、

深層の温度もこの10年で0.01℃上昇しているということがわかってきています。

 

素人考えでは極わずかな上昇に思えますが、

蓄えた熱量を考えるとものすごいこと。

というのも深海に蓄えられる水の量は非常に多いので熱の量は大気に比べると1000倍位になる。

 

0.01℃上がると言う事は空気の温度にすると、単純計算で10度以上上昇しているということになる。

 

地球規模で言うと深層海流は気候変動に大きく影響を及ぼすということになるので、

日本海が温暖化の影響を反映していると言う事は、近い将来全海洋、全世界の海で起こりうることを明示しているのかもしれない。

 

過去にここまで深層海流の変化を調査したという報告はないので、調査データとしてはまだ生まれたてのひよこのようなもの。

 

これからどんどん精査していく必要はあるが、

深層海流の循環が弱まっているという事は確かだということです。

そして、これらの研究は地球の気候変動の予測に大きな影響を与えるといいます。

地球温暖化の未来は

地球の未来の気温を予測したシミュレーションでは、

大気中の二酸化炭素濃度、大気や海の循環、動植物の活動による二酸化炭素の循環などが反映されています。

 

 

100年足らずで北極域の気温が上昇すると言う衝撃的なもの。

ですが、このシミュレーションには海の沈み込みなど深層海流の詳しいメカニズムが反映しきれていません。

日本海の研究を通してそれがわかると、より詳しく地球の未来が予測できるといいます。

現在の研究はまだ大雑把なもの

海洋研究開発機構の川宮未知生上席研究員によると、

重くなった水が下に沈み込むって当たり前のようではあるが、地球のシミュレーションモデルでは正確に表現するのが難しい。

 

日本海で細かい深層水形成のメカニズムを研究して大規模な場との関係を見ていくことは、全球、全世界温暖化予測をする上でも大変重要な研究になるということです。

 

日本海で見えていることが外洋の大循環にどう反映しているかということをつなぐ研究をやらないと、必ずしも日本海と同じとは限らないので、両者をつなぐ研究をスタートさせたところだだそうです。

 

現段階の研究は、大雑把に深層循環はこんなものだという理論を入れているだけ。

地表が何度上昇したら深層循環が3割減ったなど、数字として与えられるようになると外洋のシミュレーションモデルの精度をあげていくことが出来ると思うといいます。

地球温暖化の改善

もし、地球温暖化の傾向が弱まれば、日本海はそれに反応するのか?

2000年12月~2001年2月、ウラジオストクで非常に寒冷化した年があったが、

その時流速計のデータで海底へ沈み込みが起きて、新しい深層水が出来ていることがわかったそうです。

 

たった1年でも温暖化が弱まれば日本海はセンシティブに反応が起きているということです。

日本海は小さいがゆえに、世界の海の実験室になっているなもの。

何だか日本海がとても愛おしく思えてきました♪

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